この記事を書いている人について
たく(「わが家の光回線ガイド」運営者)
15年以上にわたり光回線アドバイザーとして、お客様のインターネット環境をサポートしています。
大手家電量販店で5年間、その後ガス会社で15年以上勤務した経験から、光回線だけでなく電気やガスといった生活インフラ全般の知識も豊富です。
かつて販売の現場で「専門用語が難しくて分からない」「どのプランが自分に合うのかさっぱり…」というお客様の声を数多く聞いてきました。その経験から、このサイトでは難しい情報をかみ砕き、一人ひとりの “相談相手” として、どこよりも分かりやすく正直な情報をお届けすることを心がけています。
第1章【結論から】楽天ひかりの最終評価:結局、契約していいの?
楽天ひかりは、インターネットの速さや安定性だけで選ぶべきサービスではありません。これは、楽天市場や楽天モバイルといった「楽天のサービス」を普段からどれだけ使っているかと、その価値が深く結びついているサービスです。
このレポートの結論を、先に分かりやすくお伝えします。
- 料金について: 月々の料金は他の会社と比べて特別安くはありません。しかし、楽天モバイルを使っている人向けの「最強おうちプログラム」という割引(ポイント還元)を適用すると、話は大きく変わります。このプログラムがなければ、料金的な魅力はほとんどなくなってしまいます。
- インターネットの速さ: 実際のスピードを測定した客観的なデータを見ると、楽天ひかりは他の多くのインターネット会社の中で、残念ながら遅いグループに入っています。普通のネット検索や動画視聴なら問題ありませんが、オンラインゲームを本格的に楽しみたい人や、在宅ワークで大きなファイルをやり取りする人には、まったく向いていません。
- サポートの質: 利用者の口コミを調べると、「電話が全然つながらない」「問い合わせても解決しない」といった声が非常に多く、サポート体制に根本的な問題を抱えていることがわかります。これは、インターネットの調子が悪くなったときに、とても困る可能性があるということです。
- 10ギガプランがない: 他の多くの会社が、より高速な「10ギガプラン」を提供し始めている中、楽天ひかりには現在、個人向けの10ギガプランがありません。これは、将来性や技術の面で、他社に遅れをとっていると言えます。
【最終的なアドバイス】
楽天ひかりは、「楽天モバイルを契約していて、楽天市場でよく買い物をする」という、楽天のヘビーユーザーにだけ、おすすめできる選択肢です。この特定の人たちにとっては、ポイントで月々の支払いが安くなるメリットが、速度やサポートの不便さを上回るかもしれません。
しかし、それ以外の人にとっては、料金、速さ、サポートのいずれかの面で、もっと良いサービスがたくさんあります。
第2章 料金の仕組みを分かりやすく解説:本当に安いの?
楽天ひかりの料金は一見シンプルですが、本当にお得かどうかを判断するには、月々の料金だけでなく、最初にかかる費用や、他の会社との比較をしっかり見る必要があります。
2.1. 普通の1ギガプラン:月々の基本料金
楽天ひかりの料金は、住んでいる家のタイプによって決まる、分かりやすい2つのプランです。
- ファミリープラン(一戸建て): 月額 5,280円(税込)
- マンションプラン(集合住宅): 月額 4,180円(税込)
この金額は、ドコモ光やソフトバンク光といった大手キャリアのサービスとほぼ同じか、少し安いくらいです。しかし、安さを売りにしているenひかりなどと比べると高くなります。この基本料金だけを見ると、ごく普通の価格帯と言えます。ただし、これはキャンペーンなどを考えない、見かけ上の金額です。
2.2. 10ギガプランがない、という大きな事実
これからのインターネット選びで重要になるのが、超高速な「10ギガプラン」があるかどうかです。しかし、残念ながら2025年現在、楽天ひかりは一般の家庭向けに10ギガプランを提供していません。
これは非常に重要なポイントです。ドコモ光、auひかり、NURO光といったライバル会社は、すでに10ギガプランを用意して、速さを求める人たちにアピールしています。
楽天ひかりに10ギガプランがないのは、単にプランが一つ少ないというだけではありません。これは、「とにかく速いネットが欲しい!」という人よりも、「楽天のサービスをまとめて使いたい」という一般的な利用者にターゲットを絞っている、という楽天の戦略の表れです。速さよりも、楽天サービス全体でのお得感を優先しているのです。このため、将来もっと速いインターネットが必要になった時に対応できない可能性があり、速さや将来性を重視する人にとっては、楽天ひかりを選ばない明確な理由になります。
2.3. 最初にいくらかかる?:手数料と工事費
インターネットを始める際には、月々の料金以外に最初にお金がかかります。
- 契約事務手数料:
- 新規契約: 880円(税込)
- 他の光回線からの乗り換え: 1,980円(税込)多くの会社が3,300円(税込)に設定している中で、この手数料はとても安く、始めやすいポイントです。
- 標準工事費:
- 新規契約(工事担当者が家に来る場合): 最大22,000円(税込)この費用は、後で説明するキャンペーンで実質無料になることがほとんどです。ただし、契約期間の途中で解約すると、この工事費の残りを支払う必要が出てくる場合があるので、覚えておきましょう。
- 追加工事費:
キャンペーンでカバーされない追加料金にも注意が必要です。例えば、土日祝日や夜間に工事をお願いすると、追加料金がかかります。特に深夜(22:00~8:00)の工事では、最大で33,000円(税込)もの高額な費用がかかることもあります。これらの費用はキャンペーンの対象外なので、自分で支払う必要があります。
2.4. オプションとその他にかかるお金
月々の支払いに影響する主なオプションサービスです。
- ひかり電話(固定電話): 月額 550円(税込)
- フレッツ・テレビ: 月額 825円(税込)
- ウイルス対策ソフト: 月額 385円(税込) ※最初の数ヶ月は無料でお試しできることが多いです。
- 契約解除料(違約金): 契約更新のタイミング(24ヶ月目から26ヶ月目の3ヶ月間)以外で解約すると、月額料金1ヶ月分の違約金(一戸建て: 5,280円、マンション: 4,180円)がかかります。これは、どの会社でもだいたい同じルールです。
第3章 本当は月々いくら?「実質料金」を計算してみた
インターネットサービスの本当のお得さを比べるには、見かけの月額料金だけでなく、キャンペーンやポイント、最初にかかる費用など、契約期間中に支払うすべてのお金を計算した「実質料金」を見ることが大切です。ここでは、一般的な比較期間である2年間(24ヶ月)で、楽天ひかりの本当のコストを計算してみましょう。
3.1. 今のキャンペーンをチェック
楽天ひかりのキャンペーンはこれまで色々と変わってきましたが、以前あった人気の「1年間無料」や「6ヶ月間無料」といったキャンペーンは、すでに終了しています。2025年現在、中心となっているのは「最強おうちプログラム」です。
- 「最強おうちプログラム」の主な特典:
- ずっと毎月1,000ポイントもらえる: これが楽天ひかりの価値を決める一番大きな特典です。ただし、これを受け取るには楽天モバイルの利用者であることが絶対条件です。もらえるポイントは「期間限定ポイント」で、使える期間が決まっているので、現金の値引きとは少し違う点に注意が必要です。
- 工事費が実質0円に: 新規契約でかかる最大22,000円(税込)の工事費が、このキャンペーンで全額割引になります。
- その他の主な特典と注意点:
- SPU(スーパーポイントアッププログラム): 楽天ひかりを契約すると、楽天市場での買い物でもらえるポイントが+2倍になります。しかし、これには「月間1,000ポイント」という上限があります。
- SPU特典の落とし穴: ポイントが+2倍(つまり2%還元)なので、1,000ポイントの上限に達するのは、楽天市場で月に50,000円(税抜)の買い物をした時点です。つまり、 月に5万円以上買い物をしても、この特典でもらえるポイントは1,000ポイントで頭打ちになります。
- また、この特典でもらえるポイントも、有効期限が短い「期間限定ポイント」です。
- 新規申込特典: 初めて楽天ひかりに申し込むと、2,000ポイントが一度だけもらえます。
- ダイヤモンド会員限定特典: 楽天の最上位会員であるダイヤモンド会員には、27,000ポイントという非常に大きな一回限りの特典が用意されています。これは特定の楽天ファンに向けた強力なアピールです。
- SPU(スーパーポイントアッププログラム): 楽天ひかりを契約すると、楽天市場での買い物でもらえるポイントが+2倍になります。しかし、これには「月間1,000ポイント」という上限があります。
3.2. 2年間の「実質月額料金」を計算
「最強おうちプログラム」を使うことを前提に、一戸建てとマンションの2年間の実質的な月額料金を計算します。分かりやすくするために、毎月もらえる1,000ポイントは1,000円の割引として計算しますが、これが期間限定ポイントであることは覚えておいてください。
- 計算方法:
実質月額料金 = [ (月額基本料金 × 24ヶ月) + 最初の費用 – (2年間でもらえる特典の合計) ] ÷ 24ヶ月 - ファミリープラン(一戸建て)の場合:
- 2年間の支払い合計: (5,280円 × 24ヶ月) + 880円(手数料) = 127,600円
- 2年間の特典合計: (1,000ポイント × 24ヶ月) + 2,000ポイント(新規特典) = 26,000円相当
- 2年間の実質的な支払い: 127,600円 – 26,000円 = 101,600円
- 実質月額料金: 101,600円 ÷ 24ヶ月 = 約4,233円
- マンションプラン(集合住宅)の場合:
- 2年間の支払い合計: (4,180円 × 24ヶ月) + 880円(手数料) = 101,200円
- 2年間の特典合計: (1,000ポイント × 24ヶ月) + 2,000ポイント(新規特典) = 26,000円相当
- 2年間の実質的な支払い: 101,200円 – 26,000円 = 75,200円
- 実質月額料金: 75,200円 ÷ 24ヶ月 = 約3,133円
この計算結果を見ると、楽天モバイルを使っている人にとって、楽天ひかりは料金的にかなり魅力的であることが分かります。
3.3. 他の会社と比べてどう?:主要な光回線との比較
楽天ひかりが本当にお得なのかを判断するために、他の主要なインターネット会社との実質料金を比べてみましょう。以下の表は、各社のキャンペーン(高額な現金キャッシュバックなど)をすべて考慮して、2年間使った場合の実質的な月額料金をまとめたものです。
主要な光回線の2年間実質月額料金の比較
サービス名 | 家のタイプ | 月額基本料金(税込) | 2年間の実質月額料金(税込) | 備考 |
---|---|---|---|---|
楽天ひかり | 一戸建て | 5,280円 | 約4,233円 | 楽天モバイルの契約が必須 |
マンション | 4,180円 | 約3,133円 | 楽天モバイルの契約が必須 | |
ドコモ光 | 一戸建て | 5,720円 | 約4,728円 | キャッシュバックやdポイントなどを考慮 |
マンション | 4,400円 | 約3,400円 | キャッシュバックやdポイントなどを考慮 | |
auひかり | 一戸建て | 5,610円~ | 約3,406円 | 高額なキャッシュバックを考慮 |
マンション | 4,180円~ | 約2,651円 | 高額なキャッシュバックを考慮 | |
ソフトバンク光 | 一戸建て | 5,720円 | 約3,125円 | 高額なキャッシュバックを考慮 |
マンション | 4,180円 | 約2,501円 | 高額なキャッシュバックを考慮 | |
NURO光 | 一戸建て | 5,200円 | 約2,838円 | 高額なキャッシュバックを考慮 |
マンション | 3,850円 | 約2,785円 | キャッシュバックを考慮 |
注:実質料金は、各社の代表的なプランとキャンペーン(2025年時点)を元に計算しています。キャッシュバック額は変わることがあります。楽天ひかりの料金は楽天モバイルの契約が前提です。
この比較から分かるのは、楽天ひかりの実質料金は、楽天モバイルユーザーであればかなり安い水準ですが、auひかり、ソフトバンク光、NURO光などが提供する高額なキャッシュバックを考えると、世の中で一番安いわけではないということです。特に、楽天モバイルを使っていない場合、楽天ひかりの料金的なメリットは完全になくなってしまいます。
第4章 実際のスピードはどれくらい?データを元に徹底チェック
料金の次に、インターネットサービスで最も大切な「速さ」について、客観的なデータを使って見ていきましょう。ここでは、宣伝で言われている「最大1Gbps」という最高の数字ではなく、実際にみんなが使っている環境での本当のスピードに注目します。
4.1. 数字で見る、実際のスピード
分析の根拠として、日本最大級のスピード測定サイト「みんなのネット回線速度(みんそく)」のデータを使います。
- 平均スピード: 楽天ひかりの平均ダウンロード(下り)速度は、約240Mbpsから310Mbpsくらいです。
- 反応の速さ(Ping値): オンラインゲームなどで重要になる反応の速さ(Ping値)は、平均で約20.4msです(数字が小さいほど速い)。
- 市場での順位: 最も重要なのが、この「みんそく」でのランキングです。楽天ひかりは、調査対象の72サービス中64位と、非常に下の順位になっています。これは、楽天ひかりが速さの面で、市場の下から1割のグループに入っていることを示す、動かしがたい証拠です。
4.2. 他の会社とのスピード比較
楽天ひかりの速さを正しく評価するために、ライバル会社と直接比べてみましょう。以下の表は、「みんそく」のデータを元に、主要なインターネット会社の実際のスピードを比較したものです。
主要な光回線の実際のスピード比較
サービス名 | 平均ダウンロード速度 (Mbps) | 平均アップロード速度 (Mbps) | 平均Ping値 (ms) |
---|---|---|---|
楽天ひかり | 306.25 | 225.14 | 20.4 |
ドコモ光 | 466.03 | 406.27 | 20.24 |
ソフトバンク光 | 471.86 | 416.11 | 15.73 |
auひかり | 626.81 | 582.68 | 15.73 |
NURO光 | 792.17 | 699.32 | 10.88 |
出典: 各サービスの速度データは「みんなのネット回線速度(みんそく)」および関連調査資料に基づく。
この比較表を見ると、楽天ひかりの速さの課題がはっきりと分かります。
- スピードの差: NURO光やauひかりは、楽天ひかりの2倍以上のダウンロード速度が出ています。
- 反応の速さ: オンラインゲームで画面がカクカクする「ラグ」の少なさに直結するPing値も、NURO光(約11ms)やauひかり(約16ms)が楽天ひかり(約20ms)よりもずっと速いです。
同じくらいの料金を払っても、得られるスピードにはこれだけの差があります。この事実は、速さを重視する人にとって、楽天ひかりが良い選択ではないことを強く示しています。
4.3. どんな使い方なら快適?
これらの数字を、実際の使い道に当てはめて考えてみましょう。
- 普通のネット利用には十分: ウェブサイトを見たり、SNSを使ったり、高画質な4K動画を1~2台の端末で見る、といった普段の使い方であれば、約250Mbpsのスピードは十分で、遅いと感じることは少ないでしょう。
- スピードがたくさん必要な使い方には不十分: 以下のような使い方では、スピード不足を感じる可能性が高いです。
- 本格的なオンラインゲーム: 特に一瞬の反応が勝敗を分けるようなゲームでは、他の会社と比べて反応が遅い(Ping値が高い)ことが不利になるかもしれません。
- 大きなファイルのやり取り: 在宅ワークで、毎日何十GBもの大きなデータを扱うクリエイターやエンジニアにとって、他の会社の半分以下のスピードは仕事の効率に直接影響します。
- 家族みんなで同時に使う: 家族がそれぞれの部屋で4K動画を見たり、オンラインゲームをしたり、ビデオ会議をしたり、といった使い方を同時にすると、インターネットの道が混雑して、遅延や切断が起こる可能性があります。
- 夜間のスピード: みんながインターネットを使う夜の時間帯でも200Mbps以上のスピードは出ているようですが、これも他の会社が同じ時間帯に出しているスピードと比べると、見劣りする数字です。
4.4. 「IPv6(クロスパス)」の役割と注意点
楽天ひかりは、「IPv6(クロスパス)」という新しくて速いインターネットの接続方式に対応しています。これは、昔の接続方式で起こりがちだった夜間の混雑を避けて、安定した通信をするために必要な技術です。
しかし、ここで一つ大事な注意点があります。このIPv6のメリットを最大限に活かすには、自分でIPv6に対応したWi-Fiルーターを用意する必要があるのです。楽天ひかりは、NURO光やソフトバンク光のように、高性能なルーターを無料で貸し出してはくれません。これは、利用者にとって追加の出費(数千円~1万円以上)や、どのルーターを選べばいいか、どう設定すればいいか、といった「見えにくい負担」になります。
第5章 困ったときの対応は?みんなの口コミから見える本当の姿
インターネットサービスの満足度は、速さや料金だけでなく、何かトラブルがあったときのサポートの質に大きく影響されます。この点について、楽天ひかりは深刻な問題を抱えていることが、たくさんの利用者の口コミから分かってきました。
みんなの口コミをまとめると…
色々な口コミサイトやSNSの投稿を調べてみると、以下の点が繰り返し指摘されています。
- 問題点①:電話が全然つながらない
最も多く、そして深刻な不満として挙げられているのが、「電話サポートに全くつながらない」という問題です。多くの人が、何十分、時には何時間も待たされたあげくに諦めた、あるいは一度もつながったことがない、と報告しています。これは、問題が起きても、解決への第一歩を踏み出すことすら難しいということです。 - 問題点②:電話がつながっても解決しない
運良く電話がつながっても、問題が解決しないことが多いようです。サポート担当者の対応は「マニュアル通りの決まった返事しかしない」「専門知識が足りない」と言われており、少し複雑な問題になると対応できないという声がたくさんあります。中には、担当者から一方的に電話を切られたという、サービスとして根本的に問題があるような報告も見られます。
他の会社との比較
どの会社のサポートも完璧ではありませんが、楽天ひかりに対する悪い口コミの量と深刻さは、他の会社と比べて目立っています。例えば、ドコモ光は全国のドコモショップで直接相談できるという強みがあり、auひかりのサポートは比較的良い評価が多いです。
このサポート品質の問題は、ただ不便というだけでなく、契約する上での大きなリスクです。インターネットは今の生活に欠かせないもので、つながらなくなると仕事や生活に大きな影響が出ます。いざという時に、迅速で的確なサポートが期待できないという事実は、特にインターネットに詳しくない人や、家で仕事をしている人、あるいは単に安心して使いたいすべての人にとって、契約をためらうべき致命的な欠点と言えるでしょう。
第6章 どこで申し込むのが一番いい?手続きの方法も解説
以前は、インターネットを申し込むとき、公式サイトや家電量販店、たくさんのオンライン代理店など、色々な窓口がありました。しかし、楽天ひかりの申し込み方法は、最近大きく変わりました。
注意!代理店からはもう申し込めません
2025年現在、一番大事なことは、以前は楽天ひかりを扱っていたオンライン代理店からは、もう新規で申し込むことができなくなっているという事実です。これにより、「どこで申し込むのが一番お得か?」という複雑な比較をする必要がなくなりました。
この変化は、楽天の戦略が変わったことを示しています。auひかりやソフトバンク光などが、代理店の高額キャッシュバックで顧客を集めているのに対し、楽天は代理店をやめることで、宣伝内容を「最強おうちプログラム」という楽天サービス全体でのお得さに絞りました。これは、一度きりのお金で気を引くのではなく、楽天サービスを使い続けてくれるファンを大切にする戦略への転換です。
申し込みは公式サイトかお店だけ
現在、楽天ひかりに申し込む方法は、以下の2つだけです。
- 楽天ひかり 公式ウェブサイト
- 楽天モバイルショップ(実店舗)
どちらで申し込んでも、キャンペーンや特典に違いはないので、家で手続きが完了する公式ウェブサイトが一番簡単でおすすめです。
オンラインでの申し込み手順
公式ウェブサイトからの申し込みは、以下の流れで進みます。
- 公式サイトにアクセス: 楽天ひかりの公式サイトを開き、「楽天ひかりに申し込む」ボタンを押します。
- 楽天IDでログイン: 手続きには楽天IDでのログインが必要です。持っていない場合は新しく作りましょう。
- 契約者情報の入力: 画面の案内に従って、名前、住所、連絡先などを入力します。
- 工事日の調整: 申し込みから数日後、楽天ひかりから電話があり、契約内容の確認と工事日を決めます。工事には立ち会いが必要なので、家にいられる日を選びましょう。
- 書類の受け取りと工事: 工事日までに、契約内容やインターネット接続に必要なID・パスワードが書かれた書類が郵送で届きます。決めた日時に工事業者が家に来て、1~2時間ほどの工事を行います。工事が終わったら、自分でルーターなどを設定して、利用開始となります。
第7章【最終結論】楽天ひかりは本当におすすめできないのか?
これまでの分析を踏まえ、プロとして楽天ひかりを推奨できるかどうかの最終的な結論を、理由とともにはっきりと述べます。
7.1. SPUの「上限」という見過ごせないデメリット
楽天ひかりの最大の魅力は「楽天経済圏でのポイント還元」ですが、その中心であるSPU(スーパーポイントアッププログラム)には、見過ごせないデメリットが存在します。
それは「月間獲得ポイントの上限」です。楽天ひかりの契約でもらえるSPU特典(+2倍)は、月に1,000ポイントまでしか獲得できません。
これは、楽天市場で月に50,000円(税抜)以上買い物をしても、楽天ひかりの契約によって得られる追加ポイントは1,000ポイントで頭打ちになることを意味します。つまり、楽天市場を非常によく利用するヘビーユーザーほど、この特典の恩恵は相対的に小さくなってしまいます。
さらに、付与されるポイントのほとんどは、有効期限が付与月の翌月末までと非常に短い「期間限定ポイント」です。使い忘れるリスクもあり、現金割引とは価値が異なります。
7.2. プロとしての最終評決:ほとんどの人におすすめできません
上記のSPUのデメリットを考慮し、客観的なデータ(速度、サポート評判)と総合的に判断した結果、私たちの最終的な結論は「楽天ひかりは、ほとんどの人におすすめできない」です。
その理由は以下の3点に集約されます。
- メリットが限定的すぎる: 楽天ひかりの最大の武器であるポイント還元は、楽天モバイルの契約が必須な上、SPU特典には上限があります。このため、メリットを最大限に受けられるユーザー層が非常に狭いのです。
- デメリットが深刻すぎる: 通信速度が主要な光回線の中で下位グループに属するという客観的な事実は、特に在宅ワークやオンラインゲームが普及した現代において致命的です。また、「電話が全くつながらない」と評されるサポート体制は、万が一のトラブル時に利用者を路頭に迷わせる大きなリスクとなります。
- もっと良い選択肢が存在する: 最も重要な点として、他の光回線サービス(例:auひかり、NURO光など)は、楽天ひかりと同等かそれ以下の「実質月額料金」で、2倍以上の通信速度と、より評判の良いサポート体制を提供しています。
つまり、楽天ひかりを選ぶということは、「より速く、より安心できるサービスを、同じか、より安い値段で手に入れる機会を放棄する」ことになりかねません。
7.3. 例外的に検討の価値がある、ごく一部のユーザー像
それでもなお、楽天ひかりが選択肢となり得るのは、以下のすべての条件を満たす、非常に限られたユーザーだけです。
- 楽天モバイルを契約している(必須条件)。
- 楽天市場で毎月数万円程度(5万円以下)の買い物をコンスタントに行う。
- インターネットの主な用途がウェブサイト閲覧や動画視聴などで、速度や安定性を全く重視しない。
- トラブルが起きても自分で解決できる自信があり、サポートは不要だと考えている。
このニッチな条件に当てはまらない限り、他の光回線サービスを検討することを強く推奨します。
7.4. 最終まとめ
楽天ひかりを検討する上で、判断材料となる良い点と悪い点を以下にまとめました。
楽天ひかり 良い点・悪い点 早わかり表
良い点 | 悪い点 |
---|---|
楽天経済圏との連携: 楽天モバイルとのセット利用による毎月1,000ポイント還元は大きな魅力。 | 競合比で劣る通信性能: 客観的データが示す通り、主要な光回線の中で速度・応答速度ともに下位層。 |
楽天モバイルユーザーにとってのコスト競争力: ポイント還元を考慮した実質月額料金は、特定のユーザー層にとって魅力的。 | 極めて低いサポート品質の評判: 「電話が繋がらない」「対応が不十分」という声が多数あり、トラブル発生時のリスクが非常に高い。 |
低い初期事務手数料: 多くの競合他社より安価な契約事務手数料。 | SPU特典に上限あり: 楽天市場でのポイントアップには月間1,000ポイントの上限があり、恩恵が限定的。 |
10Gプランの不在: 将来的な高速通信への対応に不安が残る。 | |
楽天モバイル非契約者には価値がない: ポイント還元がなければ、コストパフォーマンスは著しく低下する。 | |
対応ルーターの自己負担: 高速なIPv6通信の利用には、対応ルーターを自身で購入・設定する必要がある。 |
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