そのランキング、信じて大丈夫?光回線選びの「裏側」教えます

公開日: 2025-08-01

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はじめに

最近利用者をだまそうとする広告が目立つのでこの記事を書きます。当サイトも広告で運営してますが家族・恋人・友人に紹介出来るきちんとした会社しか紹介していません。


「光回線 おすすめ」「光回線 ランキング」と検索すると、たくさんの比較サイトが出てきます。あるサイトでは「ビッグローブ光」が1位 、別のサイトでは「eo光」や「auひかり」がおすすめされている 。料金の安さで比べると「エキサイトMEC光」がトップだったりもします 。これだけ情報が多いと、一体どれを信じたら良いのか分からなくなってしまいますよね。一見、公平なデータに基づいていそうなこれらのランキングですが、本当に私たちのことを一番に考えて作られているのでしょうか?

。結論から言うと、ランキングサイトの多くは、公平な情報サイトというより、特定の会社をおすすめすることで儲けるための「広告の仕組み」になっています。

この記事を読めば、以下のことが分かります。

この「作られたランキング」の仕組みを理解して、賢い光回線選びを始めましょう。



第1章 ランキングサイトの儲けの仕組み:「紹介料」が順位を決める

光回線ランキングの順位を決める一番大きな力は、サービスの良さや利用者の満足度ではありません。それは、サイト運営者が儲かるかどうか、というお金の事情です。その中心にあるのが「アフィリエイト」という仕組みです。

1.1 アフィリエイトって何?

アフィリエイトとは、簡単に言うと「成果報酬型の広告」のことです。ランキングサイトはこの仕組みで大きな収益を得ています 。

登場人物は主に3者です 。

  1. 広告主(光回線会社): NURO光やauひかりなど、自社サービスを売りたい会社。
  2. 媒体運営者(ランキングサイト): 自分のサイトで広告を紹介し、読者を光回線会社に案内する人。
  3. ASP(広告の仲介会社): 上の2者を繋ぎ、契約の管理やお金のやり取りをする会社 。A8.netやバリューコマースなどが有名です 。

仕組みはこうです。私たちがランキングサイトのリンクをクリックして光回線を契約すると、その成果に応じて、光回線会社からサイト運営者へ「紹介料」が支払われます 。

1.2 高額な紹介料がランキングを歪める

では、サイト運営者にはどれくらいの紹介料が入るのでしょうか。ここで紹介する金額は、広告の仲介会社(ASP)のサイトで公開されている一例であり、キャンペーンや契約条件によって常に変動します。しかし、これがランキングサイトの運営者にとって、いかに大きな動機付けになるかを知るには十分です。

例えば、ある仲介会社のサイトでは、以下のような紹介料が提示されていました。

これだけの金額が1件ごとに入るなら、サイト運営者としては、紹介料が一番高い会社を1位にしたくなりますよね。さらに、たくさん契約を取れる人気のサイトは、仲介会社と交渉して、通常よりも高い「特別単価」をもらうこともあります 。ある例では、光回線の通常の紹介料7,000円が、特別に23,000円まで上がったケースも報告されています 。

このビジネスは、個人のお小遣い稼ぎのレベルをはるかに超えています。ある大手仲介会社では、一人のサイト運営者が「回線」のジャンルだけで、1ヶ月に約2,247万円も稼いだ例が公開されています 。ランキングの順位が、これほど大きな収益に直結しているのです。

この仕組みは、お金を持っている大手の会社がますます有利になる状況を生み出します。大手の会社は高い紹介料を払えるので、ランキングサイトで上位に表示されます。それを見た私たちが契約すると、会社とサイト運営者の両方が儲かります。そのお金で、会社はさらに広告費をかけ、サイトはもっと有利な紹介料を得る、というサイクルです。一方で、安くて良いサービスを提供しているかもしれない小さな会社は、高い紹介料を払えないため、ランキングに載せてもらえないか、下のほうに追いやられてしまいます。

会社名 仲介会社(ASP) 紹介料の一例
So-net 光 10ギガ(新設) アクセストレード 55,000円
auひかり バリューコマース 23,000円
MAXネット afb 22,000円
NURO光 アクセストレード 20,000円
フレッツ光 アクセストレード 14,652円
SoftBank光 afb 11,000円

1.3 紹介料以外の収入源

紹介料のほかにも、ランキングサイトには収入源があり、これらもランキングの公平さを損なう原因になっています。

こうした様々な儲けの仕組みが、ランキングサイトと光回線会社の関係を強くし、ランキングが本当に良いものを選ぶためのものから、どんどん離れていってしまうのです。



第2章 「速度が速い」という言葉のカラクリ

多くのランキングサイトが一番大事な基準としてアピールするのが「通信速度」です。「速さを求めるならコレ!」といったランキングは、一見すると公平な性能比べに見えます。しかし、そのデータの見せ方には、特定の会社が有利になるような「仕組み上の偏り」が隠されています。

2.1 「最大速度」はウソ?「実際の速度」のワナ

光回線会社が広告で言う「最大1Gbps」や「最大10Gbps」は、あくまで実験室で出るような最高の数字(理論値)で、私たちが家で使うときにその速度が出ることはありません 。多くのランキングサイトもそのことは分かっていて、「実際に使ったときの速度(実測値)」でランキングを作っているとアピールします 。問題は、その「実際の速度」のデータがどう集められ、どう見せられているかです。

2.2 NURO光がいつも速い理由

この問題が一番分かりやすいのが、NURO光の例です。NURO光の基本プランは下り最大2Gbpsで、これは他の多くの会社(通常1Gbps)の2倍のスペックです 。さらに10Gbpsや20Gbpsといった、もっと速いプランもあります 。

これは、速度ランキングで圧倒的に有利です。単純に平均速度を比べれば、2Gbpsや10GbpsのプランがあるNURO光が、1Gbpsの会社より速い数字になるのは当たり前です。これはサービスの質が良いというより、ただプランの性能が高いだけなのです。

ランキングサイトは、この仕組みをうまく利用します。「速度重視の人へ」という特集を組んで、NURO光などを上位に並べます 。これを見ると、私たちは「NURO光は他の回線より速いんだ」と思ってしまいます。しかし、その速さが本当に自分に必要なのか、自分の家でその速さが出るのか、といった大事なことは忘れがちです。

2.3 データ元は信用できる?「みんなのネット回線速度」の問題点

多くのランキングサイトが、自分たちのランキングが客観的である証拠として「みんなのネット回線速度(みんそく)」というサイトのデータを引用します 。これは、ユーザーが自分の家の回線速度を測って投稿できるサイトです 。しかし、このデータにはいくつかの問題があります。

まず、投稿する人に偏りがあることです。わざわざ速度を測って投稿するのは、新しい速いプランを契約してウキウキしている人や、逆に速度に不満があって測っている人が多い傾向にあります。ネットに満足している大多数の人は、わざわざ速度を報告しません。その結果、特に速いプランを提供している会社の平均速度は、実際よりも高く見えがちです。

この偏りは、みんそくのランキングを見ればすぐに分かります。ランキングの上位には、契約者数が少ないであろうマニアックな10Gbpsのサービスが並んでいます 。これは、ランキングがサービスの良さではなく、プランの性能だけで決まっている証拠です。

次に、ランキングサイトが自分たちに都合のいいデータだけを選んでいることです。みんそくには、ダウンロード速度だけでなく、アップロード速度や反応の速さ(Ping値)など、色々なデータがあります 。しかし、多くのサイトは一番インパクトのある「平均ダウンロード速度」だけを取り上げて、他の大事なデータを無視します。

つまり、「速度ランキング」は公平な性能比べではなく、特定の会社を良く見せるための宣伝の仕掛けなのです。ダウンロード速度だけに注目させられると、私たちはもっと大事なことを見失ってしまいます。例えば、オンラインゲームやビデオ会議では、ダウンロードの速さよりも、通信の「安定性」(反応の速さや通信が途切れないこと)のほうがずっと重要です 。在宅ワークでも、ビデオ会議がスムーズに進む安定したアップロード速度が欠かせません 。速度ランキングは、こうした今の時代の使い方をほとんど無視しています。その結果、ランキング1位のサービスが、実はゲーマーや在宅ワーカーにとっては最悪の選択、ということもあり得るのです。



第3章 法律の話:「ステマ」って何?

ランキングサイトの運営は、ビジネスのやり方だけでなく、法律にも関わる問題です。特に、私たち消費者をだますような広告は、法律で厳しく規制されています。

3.1 「ステマ」を取り締まる新しい法律

2023年10月1日、日本の広告にとって大きなルール変更がありました。広告なのに広告であることを隠して宣伝する行為、いわゆる「ステルスマーケティング(ステマ)」が、景品表示法という法律で正式に違反とされることになったのです 。

このルールによって、ランキングサイトのようなアフィリエイトサイトには、大事な義務が課せられました。紹介料をもらっている場合、その記事が「広告」であることを、私たちにハッキリと示さなければならなくなったのです。「広告」「PR」といった言葉や、「この記事は広告収入で運営しています」といった文章を表示することが義務付けられました 。

面白いのは、この法律で直接罰せられるのは、サイト運営者ではなく、広告を依頼した光回線会社のほうだという点です 。そのため、auひかりやNURO光といった会社は、自分たちの広告を載せているサイトがちゃんと法律を守っているか、チェックする責任を負うことになりました。

3.2 実際のサイトはどうなっている?

では、実際のランキングサイトは、この新しいルールにきちんと対応しているのでしょうか?

良い例として、あるサイトでは、記事のタイトルのすぐ下に「当ページには広告が含まれ、…当社が提携する企業から報酬を受け取る場合があります」とハッキリ書かれています 。これは、広告であることを正直に伝えていて、透明性が高いと言えます。

しかし、多くのサイトでは表示が不十分です。例えば、ページのいちばん下に小さな文字で書かれていたり、難しい言葉でごまかしていたりします。これでは、消費者庁が求める「誰が見ても広告だと分かりやすい表示」とは言えません 。

さらに巧妙な手口として、「広告です」と表示しつつ、「でも、ランキングは独自の調査に基づいて決めています」と付け加えるサイトも多くあります 。一見、公平なように聞こえますが、この報告書の第1章で見たように、ビジネスの仕組み自体が「紹介料の高い会社を1位にする」ようにできている以上、この主張は私たちを誤解させるものと言わざるを得ません。

結局のところ、ステマ規制は「これは広告です」というラベルを貼ることを義務付けただけです。広告だと完全に隠すウソは防げますが、その「ランキング」自体が、公平な評価ではなく、儲かる会社のリストであるという、もっと根本的な問題は解決していません。私たちは「PR」と書かれていても、その順位が何らかの分析に基づいていると信じてしまうかもしれません。法律は守られていても、ランキングサイトが私たちを特定の会社へ誘導する仕組みは、そのまま残っているのです。



第4章 ランキングと本当の評判はこんなに違う

紹介料で決まるランキングが描く世界と、私たちが実際に使ったときの体験には、大きなギャップがあります。この章では、公平な調査機関のデータや、たくさんの利用者の生の声を分析して、各社の本当の実力を見ていきましょう。

4.1 速度ランキング vs. 本当の満足度

信頼できる情報源として、J.D. パワーやオリコン顧客満足度、MMD研究所といった、第三者機関が行う大規模なアンケート調査があります 。これらの調査は、何千人もの実際の契約者に、通信の質、料金、そしてランキングサイトがあまり触れない「サポート」など、様々な項目について尋ねるもので、よりリアルな姿を映し出しています 。

これらの客観的なデータと、ランキングサイトの順位を比べると、驚くような違いが見えてきます。

会社名 よくある「速度」ランキング オリコン顧客満足度「サポート」の順位 J.D. パワー顧客満足度(関東)の順位
NURO光 1位~3位 最下位 (7位) 1位
ドコモ光 4位~6位 1位 2位
auひかり 2位~3位 3位 (対象外)
ソフトバンク光 5位~7位 5位 (下位)
楽天ひかり 7位~10位 1位 (対象外)

この表が、この報告書で一番伝えたいことの一つです。「速度」ではいつもトップクラスのNURO光が、オリコンの調査では顧客サポートで最下位です。逆に、サポートで1位のドコモ光や楽天ひかりは、速度ランキングでは真ん中あたりにいることが多いです。J.D. パワーの調査ではNURO光が関東で総合1位ですが、これも「サポート」部門ではドコモ光が一番高い評価を得ています 。

この違いは、会社がどこにお金をかけているかの違いかもしれません。ある会社は、高い紹介料を払う広告費や、速度テストで良い数字を出すための設備にお金を集中させ、顧客サポートは後回しにしている可能性があります。逆に、別の会社は、ブランドイメージや顧客との長い付き合いを考えて、サポート体制をしっかり作っているのかもしれません。私たちが「一番速い!」という言葉に惹かれて契約したサービスが、いざ困ったときには一番頼りにならない、ということも十分にあり得るのです。

4.2 利用者の生の声(口コミ)を分析

アンケート調査だけでなく、利用者の生の声である口コミは、各サービスのリアルな使い心地を教えてくれます。

4.3 NURO光の光と影

NURO光は、この報告書が指摘する問題を一番よく表している例です。

NURO光は、ランキングサイトが作った「速度」という偏ったルールの下で、勝つために作られたサービスと言えます。しかしその実態は、安定性やサポートといった、多くの人にとって本当に大切な部分で、複雑で深刻な問題を抱えているのです。この矛盾こそが、ランキングサイトがいかに信用できないかを物語っています。

第5章 ランキングに頼らない!自分にピッったりの光回線を見つける方法

ランキングサイトの情報を鵜呑みにするのをやめて、本当に自分に合った光回線を選ぶためには、考え方を根本から変える必要があります。この章では、自分の使い方に合わせて、本当に大事なポイントでサービスを評価するための具体的な方法を紹介します。

5.1 まずは自分の「使い方タイプ」を知ろう

賢い選択の第一歩は、自分がどんな風にインターネットを使うのかをハッキリさせることです。

5.2 本当に比べるべきポイント(評価シート)

下の評価シートは、各社を色々な角度から評価するためのものです。ランキングサイトの一つの基準だけでなく、自分の使い方タイプに合わせて各項目をチェックしてみてください。

会社名 お得さ ダウンロード速度 安定性・反応速度 サポート こんな人におすすめ
NURO光 ★★★★☆ ★★★★★ ★★☆☆☆ ★☆☆☆☆ 速度を最優先し、サポートや安定性のリスクを自分で解決できる技術に明るいユーザー。ゲーマーは要注意。
auひかり ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ 独自回線の速度と安定性を求めるau/UQモバイルユーザー。ただし、使えるエリアと解約条件に注意。
ドコモ光 ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★★ サポートの安心感を重視するドコモユーザー。提携会社が21社あり、選ぶ会社によって性能が変わる。
ソフトバンク光 ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆ セット割が使えるソフトバンク/Y!mobileユーザー。ただし、速度やサポートの評判は人によって大きく分かれる。
So-net光 ★★☆☆☆ ★★☆☆☆ ★★☆☆☆ ★★☆☆☆ 特定のキャンペーン時を除き、コスト・性能ともに他社に見劣りする可能性が高い。

注:この評価は、この報告書で分析した複数の情報(満足度調査、口コミ、実際の速度データ)を元にした総合的な判断です。あなたの家の環境によって実際の使い心地は変わります。

5.3 おすすめの選び方:5つのステップ

  1. 自分のタイプを決める: 上の5.1を参考に、自分が何を一番大事にするかを決めます。
  2. エリアを確認する: 各社の公式サイトで、自分の家がサービスエリアに入っているかを確認します。これが最初の、そして一番重要な関門です。特に、全国で使える「光コラボ」と、エリアが限られる独自回線(auひかり、NURO光など)の違いを知っておきましょう 。
  3. 情報を多角的に集める: 使える会社について、以下の3つの情報源から情報を集め、総合的に判断します。
    • ランキングサイト: 最新のキャッシュバックやキャンペーン情報をチェックするため。
    • 「みんそく」などの速度測定サイト: 平均値だけでなく、時間帯ごとの速度や反応の速さ(Ping値)、報告件数も確認するため 。
    • 公平な満足度調査や口コミサイト: サポートの質や安定性など、実際に使っている人の生の声を知るため 。
  4. トータルコストを計算する: 候補の2~3社について、2年間または3年間使った場合の総費用(月額料金×月数+初期費用-キャッシュバック+解約金など)を試算して比べます。
  5. 最後に直接確認する: 契約する前に、会社や正規の代理店に直接電話などで問い合わせ、工事の内容、料金、キャンペーンの条件など、疑問点をすべて解決しておきましょう。

結論

日本の光回線ランキングサイトの多くは、残念ながらあまり信用できないという結論に至りました。これらのサイトは、私たちに公平な情報を提供する案内役ではなく、高い紹介料(アフィリエイト報酬)によって順位が大きく変わる「広告」として機能しています。

特に「通信速度」を基準にしたランキングは、NURO光のような元々のスペックが高い会社が有利になるように作られており、私たちが実際に使うときの本当の使い心地を反映していません。「速さ」だけを強調することで、オンラインゲームや在宅ワークで本当に大切な「反応の速さ(Ping値)」や「接続の安定性」、そして「顧客サポートの質」といった、より重要なポイントが見えなくされています。公平な顧客満足度調査や多くの利用者の声と比べると、ランキングサイトの順位と実際の評価には、大きなズレがあることが分かりました。

ですから、私たちはこれらのランキングサイトを見るとき、うのみにせず、注意深く情報を読み解く必要があります。ランキングだけを信じて契約してしまうと、自分の使い方とは関係なく、サイト運営者が一番儲かる会社を選ばされてしまう危険があります。

しかし、だからといって諦める必要はありません。この記事で紹介したように、ランキングの裏にある仕組みを理解し、自分がネットを何に使うかをハッキリさせ、複数の信頼できる情報を組み合わせて判断することで、私たちは「作られたランキング」に惑わされずに済みます。

そうすれば、広告主の都合ではなく、あなた自身の毎日を本当に快適にする、最高の光回線を自分の力で見つけ出すことができるはずです。